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個展を見にいく


作曲家・サウンドデザイナー畑中正人氏の個展「はじまりの場所」の展示会場、カンディハウス横浜へ行ってきました。


カンディハウス横浜会場で、入口すぐにインデックス的な感じで縦位置の写真が整然とお迎えしてくれます。カンディハウス横浜の空間内は畑中さんの音源でさりげなく満たされていて、音源の中に時折白鳥の声、オホーツク海の波が砂浜に打ち寄せる音、風を感じるような音、静けさを感じるような音。写真はカラーで晩秋の夜と朝の境の光で表現されています。カンディハウスさんなのでそれはもう座り心地の良い椅子がたくさんありますから、これほど一点一点をゆっくり鑑賞できる会場も珍しいかもしれないですね。


そして撮影場所、音源の材料が「浜頓別町産」、これはもう見にいくしかありません。

というのも、私自身も浜頓別、特にベニヤ原生花園を撮影場所とした写真作品を発表してきましたが、私以外の視点、他の人がどう浜頓別という場所を見ているか興味があって仕方がないのです。

写真は(動画もドキュメンタリー映画もそうだと思いますが)撮影者がある被写体、事象をどう見ているか、どう考えているかを見せてくれる作用があるかと思います。「私はこう見てる(考えてる)、あなたはどう見ているか(考えるか)。」それは見方だけではなく、その人がどういう人生か経験とか時間の積み重ねか、そういったフィルターをとおして写真に現れる場合もあったりすので、浜頓別町を自分以外の人がどう感じてどう見ているかというのはとても興味があるわけです。加えて浜頓別を「見る」人口母数が道央、道南、道東と開拓時代まで遡っても圧倒的に少ない地域、だと感じているせいもあって、なおのことこの地域について書かれたこと(松浦武四郎とか北海道殖民状況報文/河野常吉等)がテキストで例え数行でも行間を読みまくるように見ますし、防風林や地質学、動植物について書かれた研究論文等も、この地域を知る貴重な「視点」です。


なぜ知りたいか。それは浜頓別町で、ベニヤ原生花園のあるなんとも言い表せない自然環境の中で育って、あの自然空間の中であれこれ考えたり悩んでいたりしたから、浜頓別町(の自然)を知ることが自分のルーツを知ることにつながると思っているからです。


昨年の11月と今年3月だったかな?の修論発表で鈴木葵さんの「人と未知なる自然との関わり合いの知のはたらき」というテーマの研究発表もかなり興味深いものでした。https://cir.nii.ac.jp/crid/1390854117441938432

鈴木さん自身は当時札幌市在住でしたが、お身内の方が浜頓別町のかたでした。鈴木葵さんの浜頓別を見るポジション、年齢(時代)ポジションからもどう見えるか、そして実際研究をお伺いしてやはり自分ではできない見方だったので面白かったです。


えらい話が長くなりましたが、そこに写真プリントがあるなら見にいくのはもう本能です(笑)

特に写真は固定(動画のようにパーンできない)でどうしても風景を切り取りますから、その切り取られた風景がなんなのか、できれば個展場で見たいのです。


タイトル:「はじまりの場所」- 畑中正人 音と写真とNFT

会期:2022.4.22 fri – 5.31 tue 7.5 tue まで(会期が延長になりました)定休日:水・木(祝日営業)   会場:CondeHouse Yokoahama Gallery (カンディハウス横浜ショップ内) 横浜市西区みなとみらい2-3-1クイーンズタワーA 3F

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